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【ゆっくり読み解く】~「東京ディズニーシー大規模拡張プロジェクト」とライセンス契約延長~

号外記事です。

2018年6月14日の今日、東京ディズニーシー(以下TDS)の大規模拡張計画が発表されました!

加えて、ディズニー本社とオリエンタルランド社(以下OLC)が結んでいるライセンス契約の延長についても合意。

以下、詳しく説明します。

 

始めに

下のリンクが、OLCから発表された正式な文書(プレスリリース)です。

http://www.olc.co.jp/ja/news/news_olc/auto_20180613463843/main/0/link/20180614_01.pdf

(特に断らない限り、文や画像は全てこのプレスリリースから引用します。)

※この文書に書かれていることが事実の全てです。それ以外は個人的見解であることをご承知おきください。

 

概要(忙しい人向け)

1.東京ディズニーシー大規模拡張プロジェクト

TDS8番目のテーマポートが誕生!

エリアのテーマは、「魔法の泉が導くディズニーファンタジーの世界」。

アナと雪の女王』『塔の上のラプンツェル』『ピーター・パン』の3つの映画をテーマにした3つの小エリアで構成されます。

 

アトラクションは4施設、レストラン(飲食施設)は3軒、ショップが1軒。

また、この新エリアに隣接して第5のディズニーホテルが建設されます! 

 

建設場所は現在の駐車場の一角です。

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東京ディズニーシー大規模拡張プロジェクト 開発予定地

  

総投資額(予定)は約2500億円。比較対象として、TDS開業時の総事業費は約3350億円です。

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註:以下に見るように建設費はここ10年上がり基調で、しかも東京五輪を控える中で更なる高騰が予想されるため、必ずしも投資額が事業規模を反映するものではありません。それでもかなり大きな投資額だとは言えるでしょう。

https://www.ribc.or.jp/info/pdf/sprep/sprep89_04.pdf

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驚くべきことに、その拡張面積は14 ha(1 ha=10,000㎡)、このうち10 haがホテルを含むオンステージです。ちなみに現在のTDSはオンステージが49 haあります。つまり3割の拡張です。かなり大きいですね。

 

参照したTDSの施設概要はこちら↓

東京ディズニーシー | 施設概要 | 東京ディズニーリゾートについて | 株式会社オリエンタルランド

 

2.ディズニー社とのライセンス契約延長

皆さんご存知のように、OLCはディズニー社からライセンス契約(=ディズニーのブランドを使って営業する代わりに、ブランドの使用料を支払う契約)を結んでいます。

TDS開園時に2046年まで5年毎に更新する契約でしたが、今後オープン予定の施設完成をもって最長2076年まで、更に30年延長可能になりました。

 

OLCが経営危機に陥るなど異例の事態が訪れない限り、世界の Disney Parks の中でも唯一のフランチャイズ経営(=ディズニー社の資本が入らない)が続くことになるでしょう。(それがいいかどうかは各自考えてみて下さい。)

 

実はこの合意、今回の一連の発表の中で最も重要だと思っています。何故ならディズニーからライセンスを受けなければOLCによるTDRの運営は全くできないからです。

 

今のところ、両社は良好な信頼関係を築いていると言えそうです。(ダッフィーの新しいお友達騒動とかは気になりますが)OLCには 今後もディズニーブランドを大切に扱ってほしいですね。

 

新テーマポートの詳細

新テーマポートの概要

公式発表には

新テーマポートは、「魔法の泉が導くディズニーファンタジーの世界」をテーマとし、魔法あふれるディズニーの物語の世界が展開される 3 つのエリアで構成されます。これらのエリアが題材とするのは、幅広い世代に愛されている 3 つのディズニー映画アナと雪の女王』、『塔の上のラプンツェル』、『ピーター・パン』です。新テーマポートに足を踏み入れたゲストは、アナとエルサのアレンデール王国、森の奥深くにそびえるラプンツェルの塔、そしてピーターパン、ティンカーベル、ロスト・ボーイズの故郷であるネバーランドを発見し、誰もまだ見たことのない魅力あふれるファンタジーの世界を体験します。 

とあります。

 

特に私が注目するのは上に続く以下の部分です。

このテーマポートに新設される 4 つのアトラクションとディズニーホテルは、すべて今回のプロジェクトのために新たに開発されるもので、世界のディズニーテーマパークで唯一「海にまつわる物語や伝説」をテーマとする東京ディズニーシーの魅力をさらに高めてくれます。

 

TDRの新アトラクションには、しばしば海外で既に導入された施設が持ち込まれることがあります。(ソアリン、スティッチ・エンカウンター、フィルハーマジックとか)

 

しかし、今回導入されるアトラクションは全て東京オリジナルと言い切っています。オリジナルであることは、海外の Disney Parks を訪れるゲスト層の為というよりはむしろ、外国からのゲストを呼び込むタネでしょう。

国内人口が縮小する中、外需を開拓することは最も重要な経営課題の一つであり、OLCの強い問題意識が感じられます。

近隣には上海ディズニーや香港ディズニーがあり、またアジアは今後テーマパーク戦国時代に突入すると言われています。そういった意味でもオリジナルは重要です。

 

テーマポート全景と幻の北欧エリア

こちらが今回公開された新エリア全景のコンセプトアートです。左がアナ雪、中央奥がラプンツェル、中央やや右がピーターパン、右がディズニーホテルです。

よく見えないですが、左の山の裏がエリア入り口でしょうか?

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東京ディズニーシー大規模拡張プロジェクト - 新テーマポート全景

 

ところで、下は2015年4月28日に発表され同年12月22日に白紙撤回された、ロストリバー横(ポートディスカバリー裏)に作る計画だった北欧エリアのコンセプトアートです。

上の新テーマポート全景の左部分を見ると、下のアートを180度回転させたものと似ている気がします。

 

憶測に過ぎませんが、北欧エリア検討時の構想はそのまま引き継ぎ、ラプンツェルやピーターパンといった他のコンテンツを組合せ、今回の新テーマポート構想に至ったのかもしれません。

その原因としては、広大な駐車場跡地を一つのコンテンツで使い果たすのが勿体ないという背景もありそうです。

ただいずれにしろアナ雪を導入することには変わりはなく、同コンテンツの根強い人気が伺えます。(フローズン・ファンタジーも4年間やってましたしね)

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2015年4月に発表された「北欧をテーマとした新テーマポート」の構想図

(上画像は下記プレスリリースより)

http://www.olc.co.jp/ja/news/news_olc/news_olc-989097192970464224/main/0/link/20150428_04.pdf

(白紙撤回のお知らせはこちら↓)

http://www.olc.co.jp/ja/news/news_olc/news_olc-3746889077292129404/main/0/link/20151222_01.pdf

(元の拡張構想は以下のプレスリリースを参照)

http://www.olc.co.jp/ja/news/news_olc/news_olc-3548594841876110755/main/0/link/20141030_05.pdf

 

アナと雪の女王』をテーマとしたエリア

・映画の終盤、雪の女王であるエルサが、氷の魔法を受け入れたあとの世界

・ゲストは門が開かれたアレンデール王国を訪れる

・アナとエルサ 2 人の姉妹の心温まるストーリーをめぐるアトラクション

アトラクションでは、ゲストはボートに乗り、アナとエルサの心温まる物語をたどっていきます。心に残る数々の映画の名曲と共に、ちょっとしたスリルも体験していただけます。

・美しい雪山のふもとにあるアレンデール城の中にレストラン

 

このアトラクション、ボートライドという点からすると WDW の Epcot にある "Frozen Ever After" に似ている気がします。(ストーリーは異なる)

ちょっとしたスリル、ということは落下するんでしょうね(カリブの海賊程度に)

  

disneyworld.disney.go.com

 

お城の中にレストランというのはTDR(一般ゲスト向け)では初でしょうか?

美女と野獣エリアの "Be Our Guest Restaurant" も実現しなかったし、ロイヤルバンケットホールも無い)

 

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アナと雪の女王』をテーマとしたエリア
 

塔の上のラプンツェル』をテーマとしたエリア

ラプンツェルの塔が森の奥深くにそびえる

ラプンツェルと一緒に、映画の中で描かれたランタンフェスティバルを訪れるアトラクション

ラプンツェルにとって「今までで最高の日」となるランタンフェスティバルに向かうまでの道のりを体験していただけます。ゴンドラに乗ったゲストはラプンツェルと一緒に進み、フィナーレでは、映画の感動的な名曲と共に、美しく揺らめく数えきれないほどのランタンの灯りに包まれる、ロマンスに満ちた体験が待っています。

・映画に登場する愉快な荒くれ者たちの隠れ家をテーマにしたレストラン

 

Magic Kingdom にもラプンツェルのエリアがありますが、あちらは休憩所。アトラクションが作られるのはTDSオリジナルとなります!

 

アトラクションですが、現段階では伝統的なボートライドなのか、何か新技術を使ったものかは分かりません。

 

ファンタジーランド拡張でも使えるコンテンツだと思いますが、あえてTDSに持ってきたのはTDLファンタジーランドを更に拡張する気はないのかもしれませんね。

(つまりトゥモローランドウエスタンランドが拡張対象...?)

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塔の上のラプンツェル』をテーマとしたエリア
 

『ピーター・パン』をテーマとしたエリア

・ピーターパン、ティンカーベル、ロスト・ボーイズが住むネバーランドで、ゲストは、彼らと一緒に新たな冒険に出発

 ・ネバーランドのジャングルを飛び立って海賊たちと戦う大型アトラクション

海賊にさらわれたウェンディの弟ジョンを救うため、ゲストはボートに乗り込み、ロスト・ボーイズのあとを追って川を下りティンカーベルのピクシーダストでネバーランドの上空へと飛び立ちます。おなじみの音楽と
キャラクターに3Dの迫力ある映像が加わり、これまで見たことのないネバーランドの冒険をお届けします。

ティンカーベルと妖精たちが住むピクシー・ホロウを訪れるかわいらしいアトラクション

ネバーランドの素晴らしい景色を眺めながらお食事ができるレストラン

 

「ボートに乗って川を下る」「空へ飛び立つ」「3Dの迫力ある映像」、この3つから想像されるのは Shanghai Disneyland の ”Pirates of the Caribbean Battle for the Sunken Treasure” (カリブの海賊)です。

このアトラクションはボートに乗りつつ、海に潜るようなダイナミックな体験ができる技術が使われています。

ただここには3D映像は無いので(確か)、何かしらオリジナルの技術が使われるかもしれません。

https://www.shanghaidisneyresort.com/en/attractions/pirates-of-caribbean/

 

 

下のコンセプトアートを見ると、非常にSHDLの Tresure Cove 感があるんですよね。だから尚更上海カリブを期待してしまいます。(私見

 

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『ピーター・パン』をテーマとしたエリア

 

ディズニーホテル

・新テーマポートのストーリーの核となる魔法の泉を囲むようにそびえ立つ

・ディズニーファンタジーをテーマとしたホテル

・壮大で美しい新テーマポートの全景を、パークに面する客室の窓から臨むことができる

・475室。デラックスタイプの客室に加え、一部は東京ディズニーリゾートで最上級の宿泊体験を提供するラグジュアリータイプの客室で構成される

・パークに面したホテルの 1 階部分には、商品店舗が導入

・レストラン2軒、ロビーラウンジ、駐車場付帯

 

「第2のミラコスタ+α」みたいな感じでしょうか。ミラコスタを超える高級客室ってすごいですね。(夢のまた夢)

 

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ディズニーホテル

 

総括+あれこれ

4月15日の時点では「今年中に発表されそうだ」、くらいの雰囲気でしたが予想より早い段階での発表に驚きました。

(ここ数日株価が急騰していたのは、今日の記者会見の招待状がメディアに届いていたからでしょうね)

海外にない全く新しいエリアの構想を練ってもらい、OLCには感謝したいと思います。

 

TDSは開園当初あまりにキャラクター色が薄かったため、このような新エリアに対して一部のファンからの反発は避けられませんが、おそらくゲストの7~9割はこうしたエリアを望んでいるのでしょう。

キャラクターがテーマであれ、TDLとは異なる雰囲気の内装・外装ができれば良いと私は思っています。

 

それより2022年の開業に間に合うのか心配ですね。あともう計画撤回という事態は見たくありません。(災害が起こったりすれば別ですが)

 

今後の動向に注目したいと思います。2022年が楽しみですね!!